気楽にブログ
キノコを売りたい
*「体に良いものを売るには」を妄想シミュレーション。科学的手法に基づくことが確度を上げるけど、それだけじゃない。みたいな。
整体のお店で健康食品を売ったら、儲かるかもしれない。自分の天才的な思いつきに感動しつつ、南米アマゾンのジャングルへとやってきた。山に分け入り、沢を渡り、崖はよじ登らずに迂回して、ようやく私は、妖めかしく艶のあるキノコの群生を発見するに至った。
図鑑やサイトを見てもこのキノコは載っていない。「ついにやったぞ!これは大いなるビジネスチャンス到来だ」高鳴るハートビート、紅潮する頬。
だが、ここで冷静になった。「いや待てよ。ことによるとこれは毒キノコかもしれない」
どうも、このベニテングタケというやつに似ている。これが「毒でなく体に良いもの」であるのを確かめるには、どうすれば良いのだろうか。
①直感を信じる(no reason)
大丈夫、イケる!根拠はないが、これは毒ではない。だって美味しそうだし体に良さそうな見た目だもの。と、自分のビビビ直感を頼りに判断する。
②対象を観察する
いやいや待て待て、もう少し冷静に判断の材料を集めよう。根拠のための観察が大切だ。色、匂い、手触り、ちょっと舐めてみる。自分の感覚から判断だ。
③動物を観察する
うーむ、大丈夫な気がするがしかし、根拠としては弱い。ん?野生の猿が来たぞ。お、そしてキノコをもぎ取って行った。きっと病気の仲間の猿に食べさせるに違いない。やはり、これは体に良いキノコなのだ!
極めて合理的(rathonal)な判断を下した私は、サンプルとしていくつか持ち帰った。そしてまず自分で食べてみようかと思ったが、思いとどまり、懇意にしているカプセルコーポレーションの研究所に持ち込み、検査を依頼した。
そこでは④動物実験、⑤成分分析、を経て⑥人による二重盲検ランダム化比較試験へと進んだ。そして、どうやら「ポロリン」なる主成分が、健常男性の血中アミノ酸濃度を上げていることが分かった。メカニズムの解明ははっきりしないが、統計データで有意差が出たとのことである。
その後、⑦当局による「特定健康食品」の認可をパスできた。
よし、いよいよこのキノコを売りたい。
コピーは「おいしくて、いろいろと強くなる」に決めた。
キノコ粉末ひと袋にポロリン1000mg配合。つまり、なんと1gだ。効能は「滋養強壮」だ。つまり、いろいろに効く。
あとは「おいしくて色々強くなる」ということをアッピールだ。
「*あくまで個人の感想です」を入れながら、キノコを食べたことによる効果を宣伝してもらう。ついでに娘がファンだから、snow man にCMを依頼しよう。
データとグラフで根拠を示し、エピソードで吸引力を高め、最後に初回限定価格で爆売れ間違いなしだ!
というような経緯があるキノコの粉末を、ネット通販で買ってみた。一週間味噌汁に入れて飲んでいる。何となく、朝の目覚めがいい気がする。何となく。
手当て整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)