気楽にブログ

2025-08-04 11:37:00

この夏にお勧めのエンタメ本

夏休みと言えば読書だ。普段、ビールを飲んで動画ばかり見ているおっさんの私だが、子どもの手前もあり、かっこつけてみようと思う。そう、自分の中では読書=知的でかっこいい。という図式があるのだ。

 

よし、スマホは隣の部屋に置いてきた。さてさて、何を読もうか。ここはやはり文学作品だろう。「文豪」にチャレンジしていこう。私大の文系出としては、「あー、芥川ね。彼の晩年の作品はうんたら」くらいは言えるようにしておきたい。「あー、リーマン幾何ね」と言うのは、土台無理なので。

 

芥川は、河童も歯車も読んだことないからな。どれどれ。。うん、ちょっと自分には早いかな。ある阿呆の一生って、コメディかと思ったけど、ちょっと違うみたいだな。

 

というわけで、芥川は早々に断念し、いや、引退後の楽しみに回すことにした。短編は読みやすいが、さすが文豪。豪傑に挑むには、こちらも気構えが必要だ。

 

それならば、夏目か、三島か、谷崎か、志賀直哉か。引きこもり時代のコレクションを漁っていたら、出くわした。

 

「中島敦」

 

おお、高校のときに「山月記」を授業で読んだな。そして、この文庫本はいつ買ったか分からんが、きれいだな。ということで読んでないな。

 

どれどれパラパラパラ。

 

こ、これは!中島敦と言えば、中国物。を連想するけれど、彼の作品はそれに留まらない。例えば「文字禍」という作品の出だしはこうだ。

 

「アッシリア人は無数の精霊を知っている」 え、漢文は一体どこへ?

 

かと思えば詩もある。

 

「早口のポパイが如き濁声(だみごえ)を 土曜の午後に聞けば楽しき」 え、私生活?というかどんな状況?

 

まさに縦横無尽。マルチタレント。宮沢賢治に近い多才性。だが、文豪からはみ出す、一種のエンタメ性がある。自ら楽しんでいるような、読者を楽しませるようなところがある。

 

この夏は、「中島敦全集 ちくま文庫」で決まりだ。カバーの装画は、土方久功だ。中国とパラオが混在してて、クラクラさせてくれる素敵な本だ。



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