気楽にブログ
つらいことはコメディにして抗う
このサイトのスタッフ紹介で、好きな映画として「フル・モンティ」を挙げている。97年だから、私が、高校を卒業したくらいの映画だ。トレインスポッティングにも出ていたロバート・カーライルがおもしろかっこ良くて、こうなりたくはないけどこんな感じもいいな。と、当時は思った。
登場人物は6人のおっさんなのだが、紹介が「six men with nothing to lose」というのが、いい。「失うものはなにもない」この言葉は、私のおすすめの「気楽ワード」だ。基本保守な私だが、ちょっと勇気を出したいときには「ナッシング トゥ ルーズ」とつぶやくことにしている。特に人前に出ないといけないときなど、おまじないとしてきた。
とにかく金がないし、希望もない彼らが、開き直って男のストリップをして一攫千金を狙う。だが実際は、「失うものは何もない」のではなく、家族だったりプライドだったり、羞恥心だったり、大切にしているものがそれぞれある。自暴自棄でなく、たっぷり躊躇して「自分で決めて」ステージに立つことが描かれている。
そして、物語がコメディタッチで進むのがまたいい。おっさんたちがそれぞれ悩みを抱えながら、集まって冗談を言ったり、サッカーしたりする。とにかく明るい。数人でも友だちがいれば、人生はコメディになっていける。私は、そう思っている。
観客の前でストリップをすることは、恥ずかしいことだ。自分を出して評価を受けることは、きついことだ。それでも、その恥ずかしいこと・したくはないことを「なるべくかっこよくする」ことは可能だ。お金のためだとしても、そのせいだけにせず、自分の意志で出演する。一夜限りの演者になれたとき、何か乗り越えたような自己肯定が出たのではと、大げさに想像した。
うだつが上がらない連中の、最後のステージシーンは見事だ。スッポンポン(フル・モンティ)になるのは、おまけだ。クライマックスではあるが、それがすごいのではない。練習し、自信を持ったダンスこそが、「演じている」証であり、ショーとして成り立っているのだ。最高潮の盛り上がりを見せ、おっさんたちが輝く。
どんなレビューがあるのかネットで調べたら、何と今年、同じキャストで続編をやっていた。え、みんなおっさん過ぎてますけど、大丈夫か?うわー、これは見たい。と思ったら配信がディズニープラスだった。アマゾンプライムでやってよ、もう。
手当て整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)