気楽にブログ

2023-08-19 17:55:00

読書感想文の書き方

夏休みだ。海に行って楽しかった。おうちでゲームをするのも楽しかった。マンガもたくさん読んだ。そして、宿題がまだ終わっていない。という子どもも、多いだろう。計算ドリルと漢字の書き取りは何とか終わらせたが、「自由研究」と「読書感想文」が残る、というのもお決まりのパターンだ。

 

「読書感想文」について。私は小学校の頃に母親に勧められ、読書感想文を宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にした。そして、うまく書けずに途中で半泣きになったのを覚えている。読んでいて、途中までは良いのだ。だが、後半になってタイタニック号とかサザンクロスとかの話になり、ファンタジーが過ぎて、よくわからなくなって、読むのが嫌になった。そして、読んでよくわからなかったので、書くのはもっと嫌な経験だった。

 

大人になるにつれ、宮沢賢治の良さが段々と分かるようになり(今でも銀河鉄道の夜の後半はよくわからないが)、好きでたまに読み返す。しかし、とっかかりとして嫌な気持ちがあったので、宮沢賢治は好きだが、読書感想文は嫌な思い出だ。このように、読書のきっかけとして読書感想文は、良いとも悪いとも言える。

 

そこで提案としては、読書感想文は一冊まるごとではなく、「気に入った文章」や「気に入った場面」などについて書くだけで、まずは良いと思う。以前、自分が読んだ一文が自分を支えたり押してくれたりすると、このブログで書いた。ワンセンテンスでも良いから本から自分に写し、残すことが読書の良さだと思う。読み終えること自体に、そんなに価値はないと思う。

 

例えば、銀河鉄道の夜であれば、やはりクライマックスのカンパネルラとジョバンニのやり取りに、私は感動する。「本当のしあわせ」「人にやさしくすること」、自己犠牲の美しい儚さは、自分には真似できないが、よく生きるのヒントを与えてくれる。読むたびに、「自分ももっと人にやさしくできたらいいな」と思う。そして、自分の人生経験が増えれば、その場面やセリフの響き方も変わってくる。

 

どうしても読書感想文はストーリーを書いて、「おもしろかったです。」になりがちだと思う。大人になった今でも、読書感想文を書くのは難しい。だからこそ、もちろん文脈があってセリフや場面があるのだが、ストーリーよりも、まずは出会った一文への感動を書きとめて欲しいと思う。

 

 

本を読んで文を書くことは、終わらせなくてはいけない課題ではなく、より良く強く生きていくための支えとなり得ることを、知って欲しいと思う。

 

 

手当て整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)