気楽にブログ
歪みをチェック
読んで考えて寝かせて、そして書く。その「寝かせて」が必要だと昨日書いた。そして、文字通り自分が寝たのだが、なんだかすっきりして今日は書けそうだ。
岡潔は数学の難問が解けずに苦しんでいて、それが列車のトンネルが抜けて景色が変わったら突然解けたとか書いていたが、それに近いことかもしれない。いや、レベルが違いすぎるが。ついでに書くと、彼の「紙と鉛筆などは置いて、散歩するのが良い。数学は心の入り口でやるものだ。」というのは、なかなかすごい。私は勉強はとにかく書いてやるものだと教わってきたので、外に出て「自分の心の入り口で」数学や勉強をしてみたいと思う。
Anyway.(ライ麦畑でつかまえて)話がそれたが、昨日書こうと思っていたのは、最近買った「日本の歪み」という本についてだ。読んですぐ私が何かを書けるような本ではなかった。著者は養老孟司×茂木健一郎×東浩紀の3人だ。予測変換ですぐ出てくる、著名人だ。
新書で1100円。高いな。と思ったが、内容の価値はもちろんお値段以上だ。おバカな私が最近ようやく分かったのは、学んでいる人たちが一般人向けに書いてくれる本を読む効用だ。つまり、解剖学や脳科学、哲学を専門書で勉強するのはとても大変だ。しかし、それらを理解した人が書いてくれるものなら、エッセンスを得られるし分かりやすい。
もちろんだからと言ってすらすら読めるものではなかったが、3人分ということで、もう一度言うがお得だ。内容は歴史、戦争、天皇、憲法、政治などだが、養老先生の体験からの発言や、茂木氏のサイエンスの視点、東氏の哲学からの言葉の話など、語る切り口が多角的だ。
基本路線は養老先生の考えを聞いていくような形式で進むが、「成るようになるでしょう。誰のせいでもないでしょう」と養老先生が達観しがちなのを、東氏が「それだと議論が終わってしまいます」と、何とか俎上に載せているのが少しウケた。
3人とも「自由意志などない」「意味は後付け」で合意し、言葉で世界を規定する限界や相互理解の限界(バカの壁)も感じながら、それでもズルズルと世間が流れてしまうのは止めたいと考えているように、私は受け取った。つまり、この現状の中、戦争に日本が向かうことを避ける術を提示したいのだと感じた。
3人ともご自身のことを「はみ出しもの」「奇人枠」などと言っているが、この本が売れないようだと、日本の行く末が心配だ。アマゾンレビューで推しておこう。何の報酬もないからステマではないだろう。
最後にタイトルが「日本の歪み」だが、私は歪みという言葉が何を表すのか良くわからなかった。よく整体でも「体の歪み」という表現を見るが、何のことか分からない。サイエンスで表すのなら、歪んでいない状態からどれだけ歪んでいるのかを記述するべきだ。と、最後に批評してみたが、その歪みを「日本語で」捉えようとした試みなのだと返されるのだろうか。
本厚木 整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)