気楽にブログ

2023-11-21 15:25:00

眩しい音を、放つ

映画「BLUE GIANT」を観て

 

ジャズで世界一になる。ジャズの自由さと己を表現する喜びの虜になった主人公に、ブレるところはない。確固たる目標があり、それに向かって努力を惜しまない。一つに賭けられる輝きを、今の若者世代も感じ取ってもらえたら嬉しい。

 

トリオを結成しているベースは、主人公が遠慮なく言ってくるのが心地よさそうだ。音楽にしろスポーツにしろ、一番を目指すとなれば気を使い合うお友だちでは、うまくいかないのだろう。上から目線の物言いもあるが、彼のやさしさが随所に感じられ、嫌なやつとは思えない。私の高校時代からのAB型の友人にそっくりだなと思った。

 

ドラムの彼は高校時代サッカーに熱くなったが、大学時代は打ち込めるものが見つからない。「おれはこのバンドが楽しいからずっと続けたい」という素直な気持ちは、「今だけこのメンバーでバンドを組んでいる」という他の二人と相違がある。だが、それを受け入れ、とにかく彼は「今の自分」を輝かすことができた。引っ張られながらも、最後は堂々としてかっこいい。

 

私も若い頃は地元の友だちとバンドの真似事をしたことがあったが、まさにお遊びであった。それはそれで楽しかったが、もう一段階上の景色も見てみたかったなとも思う。そして、更にその先となると実力と努力があっても、才能がついていかないという段階があるのかもしれない。

 

ちょうどこの前フィッシュマンズのドキュメンタリーも観たが、メンバーが脱退していくのは、バンドの中でのプレーヤーとしての位置がなくなることが、原因にあるようだった。ジャズの世界ではよりそれが当たり前で、バンドは同じメンバーで続けるものではないらしい。

 

形あるものは崩れていく。だから、壊れていく前に壊していく。そして常に新しく作り続ける。留まらずに奏で続ける。そう、まさに音楽やバンドはローリング・ストーン(ズ)なのだ。福岡伸一さんが生命と音楽の類似性を述べていたが、自由なリズムと旋律、たまにの静寂がまさに「いのち」そのものなのだろう。そう言えば最近、ザ・クロマニヨンズが「イノチノマーチ」という曲を作った。

 

眩しい若者の青春を目にし、映画に出てくる彼らを応援する大人(おじさんおばさん)の年代に、自分がなっていることを実感した。若者たちには輝きを放つ今を、高らかに奏でて欲しい。そして私は若者だからこその音楽を、楽しめるおじさんでいたい。

 

理学療法士の整体in厚木

手当て整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)