気楽にブログ
情は人のためならず
「情けは人の為ならず」という言葉があります。これは、高校の時のテニス部の合宿で、飯島先生に教えてもらいました。この言葉の持つ2つの意味を、もう一度考えてみます。
1つ目は、誰かに良いことをしても、それが本当に良いことかはわからない、つまり「ありがた迷惑になるかもしれない」ことです。「人の役に立つって難しい」「利他の難しさ」私がセラピストとし驕らぬよう、前提として置いておきたい考えです。周りの善意の手助けが、その人を良くするとは限らない例として、河合隼雄先生はベートーヴェンを挙げています。周囲の助けがなく苦しい生活だったからこそ、音楽が生まれた側面もあるのではないかと。
今日は2つ目として、「利他が自分への癒しや、力になる。」という話を書いてみます。
例えば母親が子どもに与えるスキンシップは、子どもの発達にとても有用であることは、また見直されていることです。ベビーマッサージも人気があるようで、良いことだと思います。そして、実は触れる側の母親にとっても、メリットがあることが、分かってきています。桜美林の山口先生によれば、触れる母親の方にも、愛情ホルモンであるオキシトシンが、増えるそうです。柔らかさやあたたかさという心地よい触刺激と、子どもを慈しむ気持ちが、母親の心を安らげてくれるのですね。
また、これは社会学・心理学の話にもなりますが、人が働く・がんばれるのは、「誰かのためにという思い」があるときに、大きくなるようです。人は賞罰だけではがんばり続けられない、とも言われます。満足感、やりがい、そういったものがあるからがんばれることは、実感としてもよくわかります。
病院でも、例えば糖尿病の患者さんの栄養指導において、食べたら悪化しますよ(罰)、とか、我慢すればお体が良くなれますよ(賞)、と伝えるだけではなく、「治療がうまく行けば、ご家族が喜ばれますよ(誰かのために)」という声掛けが有効である、ということを、読んだことがあります。
「誰かのために(利他)」ということは、自分への癒やしとなり、力にもなります。もちろん、頑張り過ぎは良くないですし、相手のためになっているか、配慮が必要です。ただ、誰かのためを思って向ける笑顔は、向けた人からもらう力も受け、更に輝きを放つのだと思います。
その笑顔を大切な人に向けるとき あなたが一番、華やぐとき 美しく もっと輝いて
手当て整体 気楽に屋(KIRAKUNIYA)
投稿の最後、相手のために向ける笑顔が自分に返ってくる。そして自分自身の輝きが増す。それこそが美しさだ!と思い、ホットペッパービューティー向けにコピーを書いてみました。これが好評で、リクルートさんから「素晴らしいコピー!ぜひ使わせて頂きたい!」というお声掛けがありました。ら、皆さんにお知らせします。